ファブラノヴァクリスタリス作品の中核のタイトルの一つでハードを変えタイトルも変えた異端のファイナルファンタジー零式
この零式の読み方は「ゼロシキ」ではなく「レイシキ」なのでるろうに剣心ファンの方は間違えるかもしれませんね(笑)
FF零式
歴史
2011年1月18日の「1st Production Department Premire」でAgitoXlllから零式へとタイトル変更が行われました
このタイトル変更は後のVERSUSXlllのXVへの変更を決定づけたものと野村哲也氏はインタビューで答えられています
ディレクターはCCFFVlllやザ・サードバースデイ(T3B)などのPSPタイトルなど携帯機を手掛けてきた田畑端氏
この田畑氏と野村氏は非常に強い絆で結ばれ、師弟関係にありましたが・・・
スクエニの第一制作部(現第一事業部)にはこの第一制作部の発表会で大阪のKHチームを加え、田畑氏のチーム、FFナンバリングタイトルを手掛ける鳥山氏を中心としたチームと野村氏が率いるKHの東京チームとメインの4つのチームが存在し互いに切磋琢磨していました
ちょっと話がそれますが、この田畑氏のチームが当時の社長であった和田社長の命で野村氏率いる東京のKHチームに合流し、VERSUSXlllを制作し後にルミナスプロダクションになります
この発表会前に零式~仇式まで商標登録されネットで話題になっていました(笑)
レベルデザイン
このゲームのレベルデザインは戦場をRPGに落とし込み、当時PSPで流行してたマルチプレイのフルスペックの携帯機のFFを目指して制作されました
CCFFVllとザ・サードバースデイ(T3B)を手掛けてきた田畑氏の集大成となるタイトル
難易度はかなり高く挫折率もかなり高い作品。これはVERSUSXlllがよりヘビーユーザー向けになる作品への試金石的なタイトルだと思われます
表現も目を覆いたくなるものが多く、救いようのないものが多い
ストーリーは群像劇をテーマにシリーズ最多のキャラクターと最多の声優さんが登場する
声優さんがかなり豪華でその理由も群像劇故にキャラが薄いとストーリーも薄くなるという理由から脇役のキャラまでかなり豪華なメンバーが出演されています(ドラゴンボールの悟空役の野沢雅子さんもちょい役で出るぐらい)
このゲームの情報公開は2011年3月11日に発生した東日本大震災直後に発売したVジャンプからなので印象に残られている方も多いかもしれません
ブログ主もいまだに忘れられない
このゲームの情報公開は14人の主人公たちを発売まで小分けにしてボイス担当の声優さんの正式発表とともに公開され行く形でした
最後に公開されたのは・・・メイス使いのシンク(Cinque)で担当声優さんは当時大流行していた伝説のアニメ「けいおん」の主人公の平沢唯の豊崎愛生さんでした
ちなみにブログ主はこれを予知してました(笑)
日付を見てね
しかし気持ちの悪いツイートですね(笑)
もう12年も前ですからしょうがないね
評価
このゲームの評価はかなり分かれるでしょう
FF最高の評価の方もいればワーストの評価を下す人もいる
ここからはブログ主的にいい点と悪い点を挙げていきたいと思います
Good Point
・グラフィック
このゲームのグラフィックはPSPのゲームでも最高のものでしょう
よくPSPとは思えないグラフィックと評されますが、まさにそれを体現していました
当時スマホも普及し始めてはいましたが、今ほど生活必需品ではなく性能もよくなかったのでこれはかなり衝撃的でした
・キルサイトシステム
これは敵をロックオンしてタイミングよく攻撃するとほぼ一撃で倒せたり、致命的な攻撃ができるシステム
これは決まると脳汁が出るいいシステムでした
・音楽
コンポーザーは「すばらしきこのせかい」や「CCFFVll」を担当された石元丈治氏
ブログ主はFFシリーズでベスト3に入るぐらい好きな曲が本作のOPで出会うことになります
「我ら来たれり」は一度聞いてほしい曲ではあります
YouTubeで多分公式が配信されているものがありましたので貼っておきます
・テーマソング
本作のテーマソングは「BUMP OF CHICKEN」の描きおろし「ゼロ」
このテーマソングはもはや零式のために存在していると言っても過言ではなく、歌詞とストーリーがかみ合いすぎている
EDでしか聞けないFFファンにはたまらないアレンジもされており必聴の曲です
・ED
本作のエンディングはかなり衝撃的なものとなっており、ブログ主も泣いてしまった
FFXのエンディングには劣るけど次点でいいエンディングだと思います
まあFFXに勝てるエンディングのゲームなんて存在しないけどね
Bad Point
正直に言いますとこのゲーム欠点の方が多い
グラフィックや音楽でごまかしてるけどゲームとしては・・・な点が多い
その理由はやはりハードでしょうね
本作はPSPでは最高峰のものですが当時の据え置き機のメインストリームであったPS3・Xbox360の大作と比較すると物足りない
・アクション
本作はボタンに魔法や攻撃のアビリティーを予めセットして戦うアクションRPGですが、このアクション部分が雑なつくりで遠距離攻撃のキャラしか戦力にならない
14人も操作キャラがいるんですが無理やり差別化しようとして結局使用キャラはエースとキングだけでよいというバランス調整不足な出来です
魔法を使わせたら最強のレムはどうしたというお声を頂きそうですが、ストーリー上脱落することが多く強いんだけど結局Agito時代に公表された12人がメインで使うので・・・
・難易度設定
このゲームは序盤からフィールドマップでエンカウントしたら即死する敵が配置されており逃げることが不可避な場面があります
この敵はシンボルエンカウントなので避けることができそうですが、一度射程に入るとすごいスピードで捲られるので射程に入るとほぼゲームオーバーになります
しかもこの敵のレベルは99でこちらがたとえレベルをカンストしていたとしても倒されることがあるぐらいの戦力差でフィールドマップは固定した3人が倒れるとゲームオーバーになるので初見殺しに会います
当時高難易度=面白さと開発陣が勘違いしていた節があり、これもバランス調整不足と言わざる得ません
・パーティーの振り分け
14人も操作キャラがいたら、開発陣としては一度は触れてほしいと思うのが心理だと思いますが、これを実現するために度々ミッションではパーティーを振り分ける場面があります
これは成熟したメンバーとそうでないメンバーをバランスよく入れないと進行不可能になるぐらい致命的な選択になります
このゲーム、育成はパーティーメンバーを個別に入れないとできないので気にいっているキャラばかり使っていても育たないのです
これは本当にやめてほしい
14人も育成できる余裕なんて当時でもないです
もちろん救済措置みたいな育成システムはありました(PSPをスリープ状態にして放置するとレベル上げができる場所がある)
こういう痒いところに手が届かないのが田畑氏の作品の特徴であり欠点でもあります
・コピペダンジョン
これは製作期間やコスト面を鑑みると仕方のないとこではありますが、ダンジョンやステージがほぼ使いまわしで飽きる
敵も同じようなものが多く正直手抜き感が可視化されていた
・イベントバトル
本作は勝っても負けても支障がないイベントバトルがかなりある
まさかラスボス戦までその仕様にするとは思えなかった
多分FFXのエボンジュ戦みたいな演出にしたかったんだろうなという気はしている
・コンバット戦
本作には唐突にコンバット戦のようなものがあり、ここで躓くユーザーもかなりいたと思います
初見ではないをしていいのかわからずまたキャラの火力不足などで詰んでしまう難易度
このコンバット戦は田畑氏の嗜好で導入されたものですが、楽しい要素もありますが難易度が高いので評価を下げている要素ではあります
・アルテマ弾
本作最大の爆弾
本作は4つの国、朱雀、玄武、白虎、青龍からなるオリエンスが舞台ですが、序盤で白虎が玄武にアルテマ弾を打ち、国を消滅させてしまします
これにより大幅なコストカットが実現されてしますのです(´;ω;`)
これはかなりプレイヤーを動揺させ、いわゆるPV詐欺と言っても差し支えない所業です
これが未だにトラウマになっている人も多くスクエニが新しいFFのゲームで国を発表してもPVだけ見せて何らかの理由で国を消滅させてしますのではないかと懐疑的になる
このアルテマ弾の後を訪ねることがあるのですがでっかい穴がぽっかり空いています
これね、例えばプレイヤーが訪問した後に子のアルテマ弾を打つってやって国を消滅させてたら(FFlXのオーディン召喚みたいに)まだわかるですけど、コストカットありきの演出は幻滅され、信用を落としても仕方ないものです
・マキナ
本作の主人公は14人いて12はAgitoXlllの発表時に公開されていました
零式にタイトルが変更となった時にマキナとレムという2人が追加されました
この2人と公表済みの12人は表の主人公と裏の主人公という役割があり、前者は歴史の俯瞰者(歴史を見る人)と歴史を作る人という役割があります
これは公式設定集などで明らかにされています
しかしこのマキナというのはキングダムハーツ会のテラと称されるぐらいやらかしています
ほぼネタキャラ扱いでブログ主もいらんことすなと憤りしか感じないなんの思入れもないキャラになります
レムは可愛いしいいキャラだけど存在も薄い・・・
とにかく底の浅いキャラでたぶんFFの黒歴史ポジションを確立してしまった悲運の人物でしょう
まとめとあれこれ
当初はガラケーのアプリで2008年DKΣ1373でPSPへのハード変更がT3Bとともに仰天発表されました
この仰天という表現は野村氏が実際にインタビューで言われているものです
ハードな学園物のドキュメントと考えており、~四天王がいるや風紀委員などFFVlllの学園要素が盛り込まれる予定でありました
その意図は本作にも所々見られます
当時のPVのエースはいわゆる不気味の谷のモデリングでした
本作は裏ナンバリングタイトルという新しいFFの可能性を生み出す試作として期待されていました
事実壱式から仇式まで商標登録されており、壱式の制作のうわさも取りざたされていた時期もありました
しかしルミナスエンジンの失敗やFFXVの混乱などで多分ボツになりその可能性はなくなりました
ちなみに壱式とも割れるFFは本作のHD化の際に追加されたエースらしき人物が朽ち果てた武士に憑依し、飛んでいくPVがあったので構想自体はあったと思われます
いわゆる本作の用語やロゴに見られる和風のFFを実現したかったんでしょう
本作は2011年7月にフジテレビのお台場王で体験会が開かれ、ブログ主も始発でプレイしてきました
しかし3人ぐらい熱心なスクエニファンの方はいましたが、体験会はガラガラでそんな朝早く行かなくても余裕でした
まあ、新しいPVと「我ら来たれり」が先行収録されたCD買えたからよかったですけど
ちなみにですが、電撃プレイステーションにブログ主の体験する様子が移っており、ちょっとびっくりしてしまいましたね(笑)
田畑氏について
田畑氏の人物についてはまとめるつもりはないのでここで書いてきます
テクモからスクエニにヘッドハントされ、ガラケーのBFCCVll、MOTONE、キングダムハーツCodedなどモバイルアプリ手掛け、その功績が評価され、PSP作品のディレクターを務められる
先にも述べましたが、野村氏は田畑氏を非常に評価しTwitter上でもたばちゃんといい田畑氏も野村氏のことを非常に尊敬しまさに理想の上司と部下の関係でした(過去形)
コンシューマーではCCFFVll、T3B、FF零式、FFXVなどのディレクターを務められてきた氏ですが、どの作品も手抜きと言われてもしょうがないカットを行います
いわばコストカッターなのです
ゲーム開発費も膨大になる昨今仕方のないことではありますが、絶対にやってはならないものもかっとしてしまいます
CCFFVllもクラウドの眠っていた空白の1年間、そして本作のアルテマ弾、FFXVのノクトの眠りについた10年間等々・・・
一部分を見せようとして全体の評価を下げる施策を取り、どこか物足りない感を出してしまうのです
エンディングを壮大にすれば作品全体が底上げされると考えている部分がかなりあると思われます
零式までは氏の意向だけでなく野村氏の意向もあると考えていましたし、これも正しい考えだと思いますが、FFXVはブログ主は評価に論ずるに値しない作品と厳しい評価を下しているのでこれ以上深堀はしませんが、今後ゲームを作るならこういう目に見える手抜きはやめていただきたいですね
田畑氏の作品は70~80点ぐらいの評価のゲームは作り出せるけどそれ以上の評価のゲームは無理というのがブログ主の評価です
ぜひコメント欄で皆さんの意見をぶつけていただけるうれしいです
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