ファブラノヴァクリスタリス、「クリスタルの新しい物語」という意味があります
2006年5月の発表当初のプロジェクト名は「ファブラノヴァクリスタリスXlll」
なぜXlllが消えたのかは、2011年1月18日にタイトル名が変更された「ファイナルファンタジー零式」の影響
しかしこの時点でファブラノヴァクリスタリス作品の中核をなす「ヴェルサスXlll」も「ファイナルファンタジーXV」とナンバリングタイトルに変更されることが決定していた模様です
このFFXlllシリーズの相次ぐ名称変更によりファブラノヴァクリスタリスXlllという表現は相応しくないと経営陣に判断されファブラノヴァクリスタリスと変更されました
ファブラ神話の概要はFFXlll発売当初は公開されておらず、2011年1月18日のスクエニのクローズドイベントでその概要が公開されました
ナレーションが諸星すみれさんのPVも制作されたのですが、その動画はなぜか削除されています
ファブラ神話の概要と要約
世界のすべてを統べる神がおり、その名をブーニベルゼといいました
ブーニベルゼは自分の母であるムインを倒し、世界を手に入れました
ムインは不可視世界へと姿を消しました
ブーニベルゼは悩み多き神で、世界が有限で全てが滅びゆく運命であるから
かれはこれを母ムインの呪いと考えました
その呪いを断ち切るために母であるムインを倒すために不可視世界への扉を見つけなければならず、そこで自らの意志を抽出したファルシを生み出しました
最初に生み出されたのがファルシ=パルスでその使命は世界を切り開き不可視世界の扉を見つけることでした
次にファルシ=エトロを生み出しますが、間違えて母ムインとそっくりにつくり、その姿を恐れたブーニベルゼはエトロには何も力を与えませんでした
代わりに作り出したのがファルシ=リンゼで、ブーニベルゼを世界の脅威から守護する使命を与えられ、時が来たら起こすよう命じクリスタルとなり、永き眠りにつきました
パルスは世界を広げるために、リンゼは世界を守るためにファルシとルシを創り出しました
けれどエトロには何もできませんでした
孤独になったエトロは自らの姿に似たムインのことを思い出しました
エトロは自らを傷つけ血を流し、消えてしましました
流れたエトロの血から人間が生まれ、人間は生まれては消え死ぬだけの存在でした
目に見える可視世界の存在が滅びるのは呪いではなく運命でした
世界の総和は決まっており、可視と不可視が分け合っている
その均衡が崩れれば、やがて、世界は崩壊してしまいます
消えゆくムインのもとにエトロがやってきました
ムインは世界の均衡を保つようエトロに伝え、混沌に飲まれていきました
愚かなエトロはムインの言葉の意味がわかりませんでした
孤独になったエトロは混沌に飲まれていくだけの人間に親しみを覚え、人が死にゆくとき、微笑み、混沌を贈りました
人間は、エトロに贈られた混沌を『心』と名付けました
心は力となるはずでしたが、人はまだそれを知りませんでした
やがて人は、パルスを全能の支配者、リンゼを守護者、エトロを死神と考え、心と不可視世界を抱えて暮らすようになりました
人が混沌を抱えることでかろうじて世界の均衡は保たれているのです
クリスタルとなったブーニベルゼは眠り続けます
永遠が終わるその時まで
これが先述したPVの概要となるものです
ムインという神様が全知全能の子供であるブーニベルゼを生み出したが、別の世界に行ってしまった
ブーニベルゼはこの世界が永遠に続いてほしかったけど、母であるムインのせいで世界は有限だと思い込んだので3人(パルス・エトロ・リンゼ)の子供を作って母親を消そうとする
しかしその子供の一人は母親そっくりに作ったためその子供には何も与えなかったらその子供は傷ついて自傷行為をしてたらなんとムインの世界に行けちゃった
その時に人間も生まれちゃったその人間が自分(エトロ)とそっくりだったから感情移入しちゃった
でもしかしこの有限という呪いは母親のせいじゃなかったんだけどね(笑)
とちょっとおちょくって書きましたけど、本当にこんな感じなんです
ファブラ神話の原案者は!?仲間外れにされてしまったあの人・・・
ファブラ神話の原案者はFFVll/Vlll/Xなどでシナリオを担当した野島一成氏
この氏の原案を基に野村哲也氏、鳥山求氏と北瀬佳典氏が肉付けや詳細な設定を作っていったそうです
しかしこの神話の解釈はFFXlll、FFアギトXlll、FFヴェルサスXlllのディレクターが独自に解釈して自由に作ったものとなる作品となる予定でした
この中でアギトXlllのディレクターを務める田畑端氏だけはこの神話の制作には関わっておらず、氏がFFXVのディレクターを務める際にファブラ神話とは関係のない作品を作りたいと不満があったことをインタビューで暴露していました
氏がFFXVのディレクターを務める際にFFXVのファブラ神話に関する設定はほぼすべて削除されています
ちなみにこのファブラ神話は5体(ムイン、ブーニベルゼ、パルス、エトロ、リンゼ)の神が登場しますが、エトロだけ仲間外れにされてしまう設定がありFFXVの田畑氏の野村氏への謀反は必然のように今は思えます
ファブラノヴァクリスタリスのロゴの正体は!?
もうお気づきの人も多いでしょうけど、この観音菩薩みたいなファブラノヴァクリスタリスのロゴの正体はブーニベルゼです
このブーニベルゼはFFXlllシリーズの最後を飾るLRFFXlllのラスボスとして登場してきます
並べてみるとわかりやすい
後述しますがLRFFXlllが発売されたのがFFXV(まだ野村氏が降板前の時)が発表された2013年で当時LRFFXlllをプレイしていてFFXVで語るものないんじゃないと感じたものです
FFXlllや零式は神話のどこに焦点を当てていたのか!?
FFXlllではリンゼとパルスの2体の神がメインに扱われます
パルスはコクーンを作って人間をたくさん生み出し、リンゼはコクーンをぶっ壊せる人間を作ってコクーンを打ち落としてその時に死ぬ人間の魂によって不可視世界への扉を開こうとします
FFXlllでライトニングたちが召喚獣を使えたりピンチを切り抜けるのはエトロがライトニングたちに感情移入しているからです
FFXlllでライトニングたちがコクーンからパルスに移動するときにエトロが手助けしている様子がちゃんと描かれているのがエトロが登場するときに発生する魔法陣によってわかるようになっています
FFXlll-2ではエトロ、LRFFXlllではブーニベルゼがメインに扱われていきます
零式はファブラ神話のエトロが自傷行為をした際に生まれた「人間」に焦点を当てた物語になっています
零式のロゴの正体はディーヴァというファルシが有力(リンゼ・エトロ・パルスではない)
ヴェルサスでは今や確認の仕様がないが、ファブラ神話の原案者である野島氏がシナリオを担当していおり、一番ファブラ神話の核心を突く物語であったと思われる
ノクティスの国では死神を信仰していてPVでも消えゆく命(エトロの光)を見る目を持つノクティスとステラを中心とした物語であることが確認でき、もしかしたら元凶のブーニベルゼを生み出した未だどの作品でも語られなかった「ムイン」を描く構想もあったのかもしれない
ファブラノヴァクリスタリス作品のテーマ
読者の中には高校時代、大学受験の時に現代文を勉強した人もいるかもしれない
ブログ主は現代文をかなり勉強してその時に「神話」というキーワードを学んだ記憶がる
古代文明は宗教や占いなど神に支配されていたが、現代はテクノロジーの発達によりそれらから解放された文明である
そして神話という表現はあまり意味で使われることはない
この「神話からの解放」というのが制作者が伝えたかったメッセージであるとブログ主は感じた
LRFFXlllでは最後にブーニベルゼを倒し今生きる我々の現実につながる終わり方をしているのはその表現の一つであろう
ヴェルサスの「これは現実に基づいた幻想」というキャッチコピーからもヴェルサスも物語の着地点が我々の現実社会につながるようなしかけもあったのかもしれない
長くなりましたが、以上でファブラノヴァクリスタリス作品の解説とまとめは終わりです
各作品の詳細なレビューなどは▼の記事を参照してください
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