KHはナンバリング以外の派生シリーズが多く新規ユーザーが入りにくくなっていてそのストーリーの全容をすべて理解できている人はたぶん生みの親である野村氏も含めこの世には存在しないと思うほど難解なものになっています
KHのストーリーをここまで歪んだものにしたのは任天堂に依頼され急遽製作が決まった3DSで発売されKHドリームドロップディスタンス(以下KH3D)に起因するものというのは以前記事にしました
※詳細はこちらの記事を参照
今回は野村氏が本来考えていたであろうKHの構想と消されてしまった2つの作品について書いていきます
もともとはシンプルな構想であったストーリー
KHは今や「世界線」や「時間移動」、「裏側の世界」などKHの世界観に合わない概念が導入されストーリーがかなり難解なものになってしまいました
しかしもともと野村氏が考えていたストーリーはシンプルなものであったはずです
その根拠はKHはFFに比べライト向けなものであり、FFよりもっと幅の広い年齢を対象にした作品であったからです
ではなぜこんなに複雑なものになってしまったのか?
それは「スクエニのHD作品の制作の苦戦」と「野村氏のヴェルサスのディレクターの降板」のよるKH作品へのしわ寄せが主な原因だとブログ主は考えています
スクエニのHD作品の制作の苦戦
これはスクエニだけでなくほぼすべてのゲームメーカーに該当するのですが、PS2→PS3にハード外交するときゲームの表現はHDの次元に上がり、制作方法や費用がPS2に比べて大きく変わりました
ゲームメーカー各社は特に日本はHD対応に大きく遅れを取り、製作費がより安く済むPSP、DSやWii、ガラケーのガチャゲームにかじを来る会社が多かった
スクエニも当初はホワイトエンジン(後のクリスタルツール)でHD対応に息巻いていましたが、見通しが甘くPS3の普及の苦戦もあり、虎の子のFFナンバリングであるFFXlllをXbox360にマルチ対応するなどゲーム業界は揺れていました
このゲーム業界の揺れはKHシリーズにも影を落とすことになります
PS2でKH2FMが発売された後、KHシリーズはKH358/2Days、Coded、BbS、BbSFM、Re:Coded、3Dとシリーズの軸を携帯機に移行することになります
この時のハードの垣根を悪い意味で超えて乱発したせいで間口を広げるはずの施策がかえって新規ユーザーを敬遠させる要因となりました
このシリーズの乱発の歪みこそ、本来野村氏が構想していたKHのストーリーとは異なるものとなった要因の一つだとブログ主は考えます
ヴェルサスのディレクター降板
先述のとおり、KHはFFよりライトユーザー向けな作品でした
これは野村氏が当時ディレクターを務めていたヴェルサスとのすみわけと切り替えができていたからだとブログ主は考察しています
しかし野村氏が2014年にヴェルサスのディレクター降板が発表されると氏の思想がよりKHに注がれることになります
KHlllのトイストーリーの導入シーン『VERUM REX』で登場した『ヨゾラ』
これは明らかにヴェルサスの主人公である『ノクティス』を強く意識したキャラであり、KHlllのDLCのリマインドでまさかの敵としてソラに立ちはだかることになります
ヴェルサスの全容は野村氏しか知る人はおらず、今後それを明かすかは不明となっていますが、現代の渋谷をベースとした『クァッドラトゥム』(意味はラテン語でスクエア)を舞台としたKHlVでそのヴェルサスの構想の一部が明らかになるかもしれません
不運にもこうした事象が重なり、KHのシナリオはライトユーザー向けとは言えないものへと変わっていったのです
消されてしまった2つのKH作品とは!?
結論から言うと消されてしまった作品とは『バースバイスリープ2』とプロデューサーにも疑問に思われた『謎のKH』です
バースバイスリープ2があったという記事は以前に書いていますので、そちらを参照してください
ここでは『謎のKH』を書いていきたいと思います
『謎のKH』の初出はKH358/2Daysのアルティマニアになります
この『謎のKH』に関しては未だに発表も発売もされていないことを野村氏はインタビューで答えられています
そして残念なことにこのプロジェクトを今のところ再開する予定もないそうです
ブログ主はこの『謎のKH』の有力な一説としてKHllのシークレットムービーで単語だけ表示されたキーブレイド戦争を題材にしたオンラインゲームではないかと思いました
野村氏はキーブレイド戦争については(PS3では)スペック不足とはるか昔にインタビューで答えれておりその時の構想は未だにあるのかなと思いました
しかしKHUxでキーブレイド戦争を題材にしたものを取り扱っており、今後配信される予定で実質Uxの続編であるミッシングリンクで同様のものを扱うのでこの線は消えてしまいました
この当時(2009年)はまだスマホも全く普及しておらず、たぶんゲーム機での発売は意識してたんだろうなぐらいしかブログ主にはわからないです
ただリクを単独で主人公にしたKHはやってみたいという以前答えられていましたが、これも言うほど謎ではないですから本当に謎のKHになっています
野村氏が考えていたKHのストーリー
KHllFM以降の当初考えられていた物語を書いていきたいと思います
・闇落ちしたテラ、闇の世界にいるアクア、眠りの部屋にいるヴェン(以降BbS組とする)
・KHllでゼムナス(ゼアノートに乗っ取られたテラ)はアクアとヴェンを救うために人の心のキングダムハーツを求めていた
・ソラが何らかの経緯でゼムナス(テラ)の真意を知る
・ソラにBbS組を救出させる
・黒幕のゼアノート討伐
ね?シンプルでしょう?
ラスボス(ゼムナス)が旧作(BbS)の主人公(テラ)なのもそしてそのラスボス(ゼムナス・テラ)が親友を救うために暗躍していた
これはいい意味でユーザーの期待にも応えられたと思いますし、ユーザーもこういう展開を求めていたと思います
墓場で棒たちする哀れな機関員たちを見なくて済んだし、そもそもあんな付け焼刃の展開にすることもなかった
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